散文録

つらつら書くのが楽しい。日記・作品の感想など

紫の炎に魅せられる

好きなバンドの話をする。
週末の夜、魅せられた話。

映画『AKIRA』を観るために契約した
U-NEXTの無料期間も終わるので、
他に何かあるかな〜と動画を探したら
バンド THE YELLOW MONKEY
ライブ映像があった。
私はこのイエモンが大好きで、
思春期から今でもずっと聴いている。
嬉しくなったので、
週末の夜、ホームライブを開催した。

『TOUR ’97~紫の炎~at 西宮スタジアム
今日のタイトルはここから来ている。

観たのは一番好きな1997年のライブ。
これの横浜開催のDVDは持っている。
ちなみに私は当時、幼少期だったので
バンドの存在自体知らない。
私がイエモンの魅力を知ったのは
とっくに解散した後だった。

私はこの頃のボーカル・吉井和哉
この世で一番美しい生き物だと思っていて
その美しい生き物が放つ妖艶な熱気を
それはもう、堪能した。
ちなみに
「紫の炎 吉井和哉」で画像検索すると
それはそれは美しい生き物が見られる。

ギラギラのサウンドと、どこか歌謡曲
ような曲調のバランスが絶妙で、
光に照らされたメンバーの美しさで
きわどい性的表現すら魅力に映って
興奮が湧き上がる。

観客がまさにもう、熱狂って感じで
全身で興奮と喜びを表現してるさまが
ライブの芸術的な熱気と美しさを
構成する一部になっていた。
私の中でこの世はこのライブに行った人と
行ってない人に二分されると言っていい程
このライブに行った人を羨ましく思う。

この日なんとなく気が沈んでたんだけど
紫の炎に魅せられて
ステージと観客からのギラギラした熱気を
浴びて、コーラ飲みながら歌ったり
腕をブンブン振ってたらなんか元気出た。
我ながら単純だね。
でもこれを音楽の力って言うんだろうか。

これは公式YouTubeかな?当時のPV↓

youtu.be

↑ドラム・菊地英二も美しくて大好き。

これ以上は長くなるから割愛するけど、
ひとつだけ
私の人生観に寄り添うような歌詞がある。

僕が犯されたロックンロールに
希望なんて ないよ
あるのは 気休めみたいな
興奮だけ それだけさ

『人生の終わり
(FOR GRANDMOTHER)』の歌詞

この曲はすごく穏やかに死別への
哀しさを唄った曲で、
そんな穏やかな曲調で語られた言葉。
性的表現がまぶされた
ギラギラした激しいロックを
「気休めみたいな興奮」と表現したのが
これがまさに
私がロックを愛する理由だと腑に落ちて
初めて聴いたときから忘れられない。

心の闇を映すような暗い曲もあって
そんな暗い曲のあとに
セクシャルでハイな曲を聴くと
この歌詞の意味が本当にわかるというか
余計に闇が浮かび上がる感覚がある。

たまに人生に虚無感を感じるときがあって
それを興奮で埋めながら生きてるんだな。
と、しみじみ実感する。
別に人生に悲観してるわけではないけど
そういう思いに静かに寄り添って
同調してくれるような不思議な感覚が、
私の深いところまで染み込んでいる。

美しいビジュアルと妖艶な性的表現が
織りなすギラギラまぶしい光と
歌詞に見え隠れする、どこか哀しい陰が
本当に魅力的なバンドだと思っている。

私の中のほんのりとした陰が
紫の炎で少しだけ照らされた週末だった。