散文録

つらつら書くのが楽しい。日記・作品の感想など

『1分で話せ』書評

『1分で話せ』(著:伊藤 羊一)

『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』に
続き、要約力を求めて購入。
タイトルに「話せ」とあるように
口頭伝達における話がメイン。

"1分で"とあるが、要約というよりかは
伝えるための全般的な技術書だと思う。

ちなみに下記のサイトで1位だったので
ミーハー心で買ったのもちょっとある。↓

booklive.jp

『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』と
同じく、具体的かつ表現が堅くないので
スルッと飲み込めて取り入れやすい。

気をつけないとな、と思ったのが
「事実やデータは結論ではない」の箇所。
事実やデータを基に考えて出した
結論を述べるべきところを
結論に至る前の事実を結論としがち、
という話。
抜粋すると

つまり、「考えるとは」、
「自分の中にあるデータや
自分の外にあるデータを加工しながら、
結論を導き出すこと」なのです。

これ、当たり前のことではあるんだけど
結論と事実を履き違えてしまうのは
気をつけないと陥りそうな気がする。
考えてるようで考えられてない、
みたいのは特に焦っていると陥りがち。
面接とかね。

本書、
Amazonの「学生の就職」カテゴリで
ベストセラー1位になってるだけあって
「そもそもロジカルって?」という
ところから説いてたりして
学生さんが読むにも難しくないと思う。
(私も学生のときに読みたかった…とか
思ったけど、『絶対内定』とか読んだ割に
大して活かせてなかった気もする)

学生の就職カテゴリということは
そもそも本書は学生〜新卒の
新人社員向けでは?と思ったが
本書による伸びしろのある人
(=要点を押さえて話せない人)は
中堅社員〜ベテラン社員の中にも
ゴロゴロいるのでは、とも思う。
あとは全校集会の校長先生とか
企業理念を語る社長サンとかね。
もちろん私も言うまでもない。
幅広い世代に役立つスキルだと思う。

表現方法だけでなく事前の根回しなど
心構えまで書いてあって、プレゼンに
慣れない人なんかにも特に心強そう。

そしてここでも出てきたのが
メタ認知」という言葉。
『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』で
も全く同じ言葉が出てきたが
本書では『9割捨てて〜』での「客観」と
いうワードに加えて
「俯瞰」という言葉が用いられている。

『9割捨てて〜』では情報の本質を
見抜くためにメタ認知の重要性を説いて
いたが、本書では相手に伝えるための
他、リーダーシップにおいても
このメタ認知力が重要、としている。

本書で

メタ認知」は優秀なビジネスパーソン
共通するスキルでもある

と謳われているように、あらゆるシーンで
必要なスキルであることがわかる。

総括して
どちらかといえば文章における
要約力を求めていた身だけれども、
ミーハー心で購入した割にはアタリで
一読して良かったなと思える本だった。
面接を控えた学生さんだけでなく
話のながーい偉いヒトにも読んでほしい。

 

参考:
『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』

ha49re.hatenablog.com