『ラ・ラ・ランド』にハマったので
今日も観ている。
昨日の感想でも書いたけど、あのラストは
ハッピーエンドだとは思いつつ
ラストのシーンで涙が滲んでくる。
ここで泣く感覚、何かの映画に似ている…
なんだっけ…と思い返したら、わかった。
『平成狸合戦ぽんぽこ』のラストだ。
以下、両作のネタバレ注意
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ラ・ラ・ランドの感想で
最後は甘くて心が弾むような
色鮮やかな妄想と、
現実に立ち返るところで終わる。
と書いたように、
もしも結ばれたままなら…という
ドラマティックな幻想に浸った後
結ばれなかった現実で終わるのが
ほろ苦く、涙を誘ってくる。
同時に、私の中で
いつも泣いてしまう映画のひとつが
『平成狸合戦ぽんぽこ』なのだけれど、
どこで泣いてしまうのかというと
人間に対し打つ手がなくなってしまった
最後、狸たちが「気晴らしじゃ」と
自分たちの理想の世界である昔の
田園風景の幻覚を作り出すところ。
望みは叶わないという現実を悟った上で
もしも叶っていたら…という幻覚を
全力でつくり、幻想に浸る
あのシーンでいつも泣いている。
素朴な音楽と美しい風景が
余計に「これはもう叶わない」ことを
強調しているような
穏やかな絶望に胸が締めつけられる。
(あれは狸自身が幻想に浸るだけでなく
人間たちに見せつける意図もあるけれど)
その後の狸たちは人間と争うのを諦め
人間の暮らしの隙間で生き延び
化けられる者は人間社会に溶け込みながら
理想が叶わないながらも
現実を受け入れて生きていく…という
ラストにしんみりしてしまう。
ちなみにラ・ラ・ランドはほろ苦くも
ハッピーエンドだと思っている一方で、
平成狸合戦ぽんぽこのラストは
微笑ましいバッドエンドだと思っている。
人生(狸生?)を狂わされたままだから。
ただ、それでも
ひとときの幻想に浸った後は
現実と折り合いをつけて生きていく…
というところが私の琴線なんだと思う。
結ばれた幻想に浸り、曲が終わったら
それぞれの現実に帰るラ・ラ・ランドと
取り戻したい幻想に浸り、力が尽きたら
現実都市で生きる平成狸合戦ぽんぽこ。
現実が甘くないからこそ
浸る幻想がたまらなく美しく、
切なくて涙が出てくるんだと思う。
というわけで平成狸合戦ぽんぽこを
見返しながら泣いている。
泣きながら、素敵な作品に触れられて
なかなか良い連休を過ごせていると思う。
『ラ・ラ・ランド』の感想