散文録

つらつら書くのが楽しい。日記・作品の感想など

『瓜を破る』という作品を全力で推したい

「性行為をしてみたくて頑張る話」
って書くとちょっとビックリな感じだけど
そうとしか言いようがない。
なのにこんなに共感して、応援して
泣けてしまった。

こんなにハマったの初めて!ってくらい
大好きな作品なので良さを語る。

この作品に出会ったのは4巻が出て
しばらく経ってからなんだけど、
1巻で続きが気になり
2巻・3巻でグイグイ引き込まれ
4巻が刺さりすぎて衝撃を受けた。

実はあんまり恋愛漫画って読まないし
性的なタイトルって避けがちなんだけど
この作品は本当に出会ってよかった。
というわけで全力で推したい!

 

漫画『瓜を破る』著:板倉梓
週刊漫画TIMES』にて不定期連載中

■あらすじ

30代処女が抱える性的コンプレックスの行方とは…!?
ごく普通の会社員・まい子には人に知られたくない悩みがあった。
それは30歳を超えても性体験がないこと。
劣等感に悶々とする彼女は自分を変えるべく行動を起こす。
誰もが心当たりがありそうな、
言葉にならない思いをあぶり出す現代の冒険譚。

(出典:amazonより引用 リンクは下記)


タイトルとあらすじからわかる通り
アダルトな内容を含む作品。
でもアダルトなのに純、という
アンバランスさが不思議な魅力で
性描写メインの、いわゆるエロ漫画とは
まったくの別物だと思う。
タイトルや表紙で内容を予想したら
全然ちがった!って人も多い気がする。
私もその一人。

なんでこんなに刺さったのか、
同じように刺さった読者が多いのか
(しかも女性に) って考えたら、
丁寧に練り込まれたリアルな人物像や
何気なく描かれた感情や心理描写に
「わかる…!!」と
めちゃめちゃ共感できるからだと思う。

この作品、あらすじのように
主人公が性体験をするために頑張る話
…だけではなく、
上司にグサッと言われてしまったり
同僚の軽ーい冗談が地味に刺さったり
同期とふつーにランチしたり
なんていうか「社会人の日常」も
可愛く、時にはしんどく描かれている
が、その甘くなさも好き。

で、目線が主人公だけでないのが良くて
割と「厄介者」みたいに描かれる人にも
つい自分を重ねてしまったりする。

何がこんなに良いのかって考えたら
いい意味での「生々しさ」だと思っていて
悩んでる主人公も、上司も同期も
決して綺麗な事ばかり考えてないって事。
「妬み」「劣等感」「対抗心」なんかが
普通に心情として描かれているのが
「あー…わかるわ…」と沁みたりする。
よくない感情ほど共感しがちっていうの
結構あるんじゃないかな。

主人公も優しくて気遣いもある一方で
結構、欲求にはストレートというか
強引にいったな!みたいな行動もあって
決して"いい人"すぎないところがいい。
ここで性格がいい人すぎちゃうと、
「いやこんな人いないだろ…」みたいな
ファンタジーになりがちなところを
絶妙に描かれているのがすごい。
人間味がすごくある。

で、この主人公の話
性には恋愛が絡んでくる訳だけど
この話がもう最高に良い!
最初は全っ然うまくいかなくて
ヒリヒリ痛いくらい なところから、
少しずつ、たまには強引になりつつ
相手との関係が変わっていく様が
グサグサグサとツボに刺さる。

心の動きの描き方がとにかく丁寧で
ドキドキしたり、しんみりしたり
きゃ〜〜〜〜〜〜〜!!!となったり
もどかしくてたまらなくなったり
キュンを通り越してギューッとなったり
とにかく感情が忙しくて楽しい。

個人的に恋愛相手の男性がドツボに好きで
素朴な深い魅力にハマってしまっていて、
誠実なのにあんな顔をするところとか
密かに魔性の男では?と思っている。

で、
ここで関係が進むのか…!?と思いきや
予想外にうまくいかなかったりする
もどかしさがすごく楽しい。

ノローグの生々しさも良いながら
キスシーンの生々しさも半端なくて好き。
でも想いが丁寧に描かれていて
痛いくらい共感したり応援した後の
丹念なアダルト描写って
不思議なことに、ちょっと感動する。
人と人との繋がりにおいて
性行為ってすごくいいことなんだなって
心から思える。
恋愛描写で初めて泣いたかもしれない。

主人公の恋愛にドハマリしつつ
周りにイラつく女性上司とか
"おひとりさま"を貫く会社の女性や
卑屈な派遣社員なんかに
だいぶ共感というか感情移入したりして
全力でこの作品が楽しい。

生き方・考え方…を悩んだり失敗したり
乗り越えたり、救われたりする様を見て
同じように気持ちが救われたりする。

 

アフィリエイトはやってないので
収益になるわけではないんだけど、
一人でも多くの人にハマってほしいので
リンクも貼る。

amazon >リンクはこちら

まんが王国 >リンクはこちら

■LINEマンガ >リンクはこちら

などなど

新刊発売の時期とかに、期間限定で
最初の方の巻が無料で読めたりする。

 

漫画は単行本で読む派だったので
この作品も試し読み→単行本で買って
読んでいたんだけど
続きが気になりすぎて、読みたすぎて
初めて本誌まで買っている。

で、「次はこういう展開かな?」と
予想してたら意外な展開になったり
甘くないけど好きな話だったり、
予想外に甘くて最高だったり
起きてて良かった〜〜〜!
と、0時リアルタイムで本誌を読んでは
毎回新鮮な良さに浸っている。
これが本当に楽しくてしょうがない。
(そして同じような人がたくさんいる!)

続きを予想しながらワクワクと迎える
23:59の胸の高鳴りが本当に楽しいので
本誌で追うのも全力で推したい。

 

私がすごいなと思ったのは、
出版社の公式サイトの
「作品への感想を送る」というリンクが
感想フォームになっていて、
匿名で感想やファンレターが送れること

shukanmanga.jp

この作品にハマるまで、ファンレターを
書こうという発想もなかったので
こういうものがある事も知らなかった。

手紙を書く事に勝手にハードルを感じて
いたんだけど、この作品でどうしても
ファンレターを書きたくなった時、
ハードルを下げてくれたこの仕組みが
すごくありがたいなと思っている。
(結局手紙も書いたんだけど)

↑の感想フォームについて
作者 板倉梓先生がTwitter等で
「一言でも長文でもぜひ」と仰っていて
初めて書く身にはありがたかったので
感想を送るという行為も全力で推したい。

読んで終わり、な作品がほぼ全てな中
感想を読みたい!書きたい!みたいな
行動力を引き起こす作品って
改めて考えるとすごいな…って思う。

確かネットで「面白い」みたいな口コミを
見て、気になって読み始めたのが
最初のきっかけなんだけど、いま思えば
あの出会いに本当に感謝している。
誰かが何気なく書いた感想が
誰かの衝撃の出会いに繋がることがあって
それがちょっと面白い。

そしてこの記事を読んでくださった人で
共感してくれる人が1人でも増えたら、
とても嬉しい。

■追記:
1話ごとに感想も書いていたのですが
このブログで公開していた感想は、
連載中のネタバレ配慮のため
パスワード付のブログに引っ越しました。
(読みたいとご連絡を頂いた方には
パスワードをお送りさせてもらいました。
多くの方々ありがとうございました)

初めましてな方とやり取りする中で
「瓜を破るめっちゃいいですよね!」と
お話しする度に、この作品の引力というか
魅力のすごさを感じています。

あと、
この記事を見て作品を読んでハマった!
というメッセージを先日いただいて
それもすごく嬉しかったです。
めちゃくちゃハマりますよね。