散文録

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旅行記②:出雲行の夜行列車おりた時から

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念願の夜行列車「サンライズ出雲」での12時間の長旅も終わり、無事に出雲へ着いたところで時刻は午前10時過ぎ。
本日の宿は駅前のドーミーインなので、先にキャリーケースを預かってもらった。

出雲に来た目的の一つが、出雲そば
お蕎麦が大好きなので、とても期待していた。

せっかくなら美味しいお店を…と旅行前に調べ、「献上そば」という美味しそうなワードが気になるお店をブックマークしていたのだが、どうやら駅から近いらしい。
開店の11時まで少し時間があるので、店に向かいつつ散歩がてら歩いた。

少し歩くと見えてきた!
『献上そば 羽根屋』
「献上そば」の名称は、大正天皇昭和天皇はじめ皇族の方々が御食膳としてこちらのお蕎麦を召し上がったことから由来が来ているという。あ〜〜早く食べたい!

まだ11時前だが、前を歩いていた人が店に入っていったのを見て後に続いた。
中に入るとなんと、開店前だというのに既に何組か待っている。
タブレットで受付をしていて、由緒あるお店ながら先進的なのね…と少し面白く感じつつ入力をする。私達は7番目。

開店時刻、いよいよ呼ばれた。
少し肌寒かったので温かいのもいいな…と思いつつ、やっぱり最初は割子そばでしょ!と割子そばを頼む。
割子そばとは「割子」と呼ばれる漆器に蕎麦が盛られており、そこに薬味やつゆをかけていただくもの。
つゆに付けるざる蕎麦とは食べ方が異なる。
さらに割子は三段以上が通常らしく、上の蕎麦を食べ終わったら下の割子に薬味とつゆをそのままかけていただくらしい。
食べたら下の段にかけるのね…と復習したところで割子そばがやって来た!

↑蓋を開けてないけど左上はしじみ汁も頼んじゃった。
やっぱり島根に来たらしじみも食べたい!という夢の詰まった御膳。
列車を降りて最初の食事を、いただきます。

つゆ、美味しい!
東京の蕎麦は「キリッと」という形容が合う割と塩辛いつゆだが、こちらはそれに比べて「角のとれた」という言葉が合うような、穏やか味だと思う。
もみじおろしを添えて食べるのは初めてだが、この角のないつゆの味わいに、わさびとも違うピリッとした刺激が合う合う。
言うまでもなく、お蕎麦も美味しい。

秒速と言っていいほどの速さで一段目を食べ終わり、つゆと薬味を二段目にかける。
蕎麦と馴染んだつゆは心なしか更にまろやかに感じて新しく感じる。
まろやかな分、薬味も増やしてピリリとまろやかにいただく。

ここでいただくしじみ汁がまぁ、沁みて沁みてしょうがない。
冷えた体に沁み込んで、滋味深いしじみの旨さを感じながら早くも島根の美味しさを堪能した。

お蕎麦としじみ汁をいただき、蕎麦湯もいただき温まったところで店を出る。
ごちそうさまでした。

さて、出雲に来たからには、次は出雲大社
…ではなく、その前に行きたいところがある。
それが縁切り神社。
縁切り神社で悪い縁を切っていただいてから、縁結びの出雲大社に参拝したいと思っていた。
という訳で出雲の縁切り神社『宇美神社』へ参るべく、私鉄一畑電車の駅に向かった。

↑「美肌県しまね」の看板がなんか可愛い。
こちらでは乗車に交通系ICは使えないのだが、切符の購入にICが使えるので手持ちのパスモで現金レスに乗れたのはありがたかった。

一畑電車でのどかな景色を楽しみつつ、宇美神社の最寄り駅『雲州平田駅』へ着いた。
ここから歩いて約10分、さぁ向かうか!
…と歩いていたら、食べログで気になっていたお店の看板と目が合ってしまった。

『そば処 喜多縁』
2時間前にお蕎麦を食べたにも関わらず、この御縁はどうしても素通りできなかった。
という訳で今度は温かいお蕎麦を食べよう。入店!

湯葉蕎麦とそば茶プリンをいただく。
しかしこのお蕎麦、温かい蕎麦だが釜揚げ蕎麦ではなかった!しまった〜〜!
釜揚げ蕎麦とは、割子そばと同じく出雲そばの食べ方で、蕎麦を茹で湯ごと丼に盛り薬味とつゆをかけていただく食べ方。
こちらはつゆに味が付いている、普通の温かいお蕎麦だ。
でもこの生湯葉も奥出雲町で作られたというし、まろーんとした柔らかくまろやかな味と食感の生湯葉蕎麦はとても美味だったのでヨシ。

お蕎麦も私の大好きな太さが不揃いなやつで、5mm近い太さのものは食感も独特で私好みだった。
甘さ控えめなそば茶プリンも美味しくて、僥倖とも言うべくこの出会いはやっぱり御縁だったのかも…とか思う。

お蕎麦の連続だったにも関わらずツルッと美味しくいただいたところで、今度こそ宇美神社へ向かった。

縁切り神社、そして縁結び神社である出雲大社へと続く神社巡りの話は、また次回。

 

つづき

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