前回の日記で昔のバレンタインチョコを思い出したら作ってみたくなったので、当時を再現して作ってみた。
『パイの実の半分に溶かしたチョコを浸してアラザンやカラースプレーをまぶすやつが小中学生時代の友チョコで好評だった(なぜならパイの実が美味しいから)記憶があるんだけど、今年の家チョコでやったら案外休日が楽しくなるかもしれない』と書いたのを有言実行すべく、向かったのは100均のセリア。ちょっと前にセリアの前を通りがけた時に、バレンタインコーナーの製菓材料がキラキラしてときめいたのが日記を書いたきっかけだった気がする。
今の100均ってすごい。自分が友チョコ現役時代(?)の頃にはなかったようなハイクオリティかつ適度な量の製菓材料が、ありとあらゆる種類でキラキラカラフルに揃っている。
やっぱりそれを見つめるのは小〜高校生くらいの女の子たちで、そんな中に異物のように混じって同じように吟味しながら「たくさん可愛い選択肢があっていいなぁ」って思いと「でも簡単に揃えられる分『ちゃんと作らないと』ってプレッシャーもあるかもしれないなぁ」なんて今の学生たちに勝手に思いを馳せたりした。
そんな異物の客が買ったのは、五色のカラースプレーチョコに、シルバー3ミリのアラザンに、ブルーとパーブルとシルバーの三色アラザン。シルバーのアラザンは2ミリと3ミリがあるというラインナップのこだわりようで、真剣に数分悩んだあげくに「やっぱ大きい方だよね」という心の女児の声に従った。ブルーとパーブルとシルバーのアラザンは綺麗なんだけどやっぱりおもちゃのような「ちゃち感」があって、それがツボ。
これだけアラザンを買ったのは、私が一番好きなトッピングがアラザンだから。アラザンいいよねアラザン。あの銀色の粒に小さい頃から惹かれてしまう人生を送っている。
無事にトッピングを確保したところで、ファミリーサイズのパイの実と明治の板チョコもスーパーで確保する。明治の板チョコはミルクチョコとブラックチョコで迷ったけど、「女児ならミルクチョコでしょ」という心の女児の声にまたしても従った。が、思い返せば私は当時からほろ苦ブラックチョコを使うブラック女児だったような記憶がある。けどまあいいやと気にしない。
さて作るか、とキッチンに立った休日。明治のミルクチョコ2枚を包丁で刻むのもだいぶ久しぶりな気がする。包丁を使うのがあまり好きではないんだけど、チョコ菓子を作る懐古とふざけたことをする高揚感であっという間に刻んで湯煎まで完遂。じわりと縁から溶けるチョコをスプーンで混ぜるうちにクリーム状になっていくのを「そうそうこんな感じ」と懐かしく眺めた。
滑らかなチョコクリームが完成したところで、パイの実に付ける。最初はパイの実の半分だけに付けるつもりが、なんだかうまく付けられなくてめんどくさくなって全部ミルクチョコでコーティングした。その一面チョコで覆われたパイの実に、満を持してトッピングを振りかける。このキラキラ、カラフル、だけど安っぽい「ちゃちな可愛さ」に「そうそうこれが見たかったの〜〜!!」と大満足。
平たい皿にキッチンペーパーを敷いて、その上にベタベタのまま乗せるから見た目も全く綺麗じゃない。「小学生が初めて作ったやつか?」みたいなクオリティに「そうそうこれです」と懐古に浸りつつ、冷蔵庫に入れて数時間寝かせた。
表面にまとっただけのチョコは数時間でも簡単に冷えて固まってくれる。冷えたのを取り出していざ実食、と口にするとチョコもトッピングもガッチガチに冷えて硬い。前の日記で『アラザンもカラースプレーも冷やすとカリッと小気味いい食感で』なんて書いたけど、カリッと小気味いいどころかガリガリと音を立てる食感は歯のコンディションによっては傷んでしまうのでは!?というほどのガッチガチのガリガリ具合だった。でもそんな硬くて不格好なものが、なんだかすごく美味しい。明治のチョコとパイの実の組み合わせは、ミルクチョコでも甘すぎず、十分に美味しかった。
硬い食感が好きなので冷えたガリガリもいいけれど、少しだけ常温で置いて柔らかくなったのも美味。ほんのり柔らかいミルクチョコに、記憶通りのカリッと小気味いいアラザンの食感。これが記憶のやつか、と懐古に浸りながら休日の二日間をかけて夫と一緒に食べた。
ここ数年は手作りもサボっていたのでまさかここに来てこんなことをするとは思わなかった。バレンタインは高島屋で買ったチョコもあるのであと一週間くらいはこのバレンタインシーズンをエンジョイできるんだけど、当時の再現という名目でチョコを刻むのも悪くないと思えたのは、記憶にときめくトッピングのおかげである。おもちゃみたいにカラフルなトッピングの、キラリと光るアラザンが好き。