散文録

つらつら書くのが楽しい。日記・作品の感想など

本日のランチ:春の七草と菜の花のパスタ

ネットスーパーで菜の花を見かけて「菜の花ってこの時期から出るんだ」ってちょっと意外に思った。なんとなく3月〜4月の日差しの暖かい春に見かけるイメージだったから、食用は1月から旬という事を寡聞にして知らなかった。

「菜の花のパスタ」って春のメニューな印象だけど、新"春"とは名ばかりの寒いこの時期でも春を感じたくて、パスタを作りたくて買ってみた。
菜の花なんて買うのは久しぶりな気がする。

届いた菜の花でパスタを作ろうとした今日1月7日、奇しくも今日は「七草の日」で、冷蔵庫には「春の七草セット」も眠っている事に気づいた。

本当は七草粥を作るために買った七草セット、でも昨日の寄せ鍋がまだ残ってるし今日はそれで雑炊にしたいんだよな…と迷う。
七草を入れた七草雑炊にする事も考えたけど、今年の七草の日は趣向を変えてパスタにする事にした。

オリーブオイルとニンニクの、ペペロンチーノにする。
年始から雑煮にお餅に寄せ鍋と和食に傾いていたので、オリーブオイルとニンニク鷹の爪ベーコンを弱火にかける洋の香りがちょっと懐かしい。

春の七草セットにはセリやナズナ等の葉物の他に小さいスズナやすずしろも入っていたので、スズナとすずしろをスライスして一緒に弱火にかける。

ザクザクと切った菜の花はちょっとだけ花が咲いていて、濃い緑色に小さい蕾の黄色が鮮やかで綺麗と思った。寒いキッチンの、ここだけ春。

パスタが固めに茹だったところで茹で汁を加えて、切った菜の花と七草セットの葉物も入れる。いわゆる「パスタの乳化」が下手なんだけど、今日はまぁまぁ上手くいった気がする。

パスタを加えて鍋を振って味見をする。割と多めに塩を入れた気がするけどどうにも味がボンヤリしてる気がする。塩味と、あとなんか出汁みたいなのが欲しい!
ええいままよ!と、悪ノリしてアサリの水煮缶を棚から出して入れてみた。なんとなくアサリも春っぽいよなと思って。今からこれは七草と菜の花のボンゴレ風ペペロンチーノになります。

アサリ缶を投入すると、鍋が一気に春の香りになった。アサリ=春って訳でもないのに一気に春を感じたのが自分でも不思議。春というか初夏の潮干狩りのイメージかもしれない。

塩気と旨味がトッピングされていい感じになったパスタを食卓に運ぶ。
ベーコンの薄紅、菜の花の緑に唐辛子の赤が色鮮やかで美味しそう…お店みたい…と完成の達成感で自画自賛してみる。

春を先取りした新春のパスタは、ニンニクにアサリにベーコンと味が喧嘩しそうになりながらシャキシャキの葉で中和されて好きな味だった。しっかり炒めた筈のスズナとすずしろも食感が失われずポリポリして面白い。雑炊と迷った七草がちゃんと活かされて、無駄にならなくて良かった。

美味しくて気分が上がったので、昼からワインを添えてみた。
へへへ。たまにはね。