旅行記を書いているうちに8月が終わってしまった。7月の下旬からずーーっと書き留めていた思い出はそれはそれは鮮やかだったけど、こうして9月になると花火が終わった直後のような思いが湧いてきたりする。
夏休みを取りつつもささやかながらハードだった8月。暑さなのか諸々の疲れなのか終盤をぼんやり過ごすうちに、いつの間に買っていた3連パックのベーコンを全く使わないまま賞味期限が切れてしまっていた。
期限は9月1日、5日間なら大丈夫だろうということで本日のランチは期限切れのベーコンを使ったパスタ。同じく野菜室に放置していたニンニクを使ったペペロンチーノにする。
ニンニクは長らく放置していたせいか表面がボコボコで、でも香りは悪くないのでそのまま刻んで鍋へ。ベーコンも細長く刻んでオリーブオイルと共に投下。ついで鷹の爪も刻んでジワジワと熱すると、いい感じに焼き目がついてカリッとしてくる。細長く刻んだカリカリベーコンが徐々に茶がかった色になってくるのを「秋だなぁ」なんて思いながら見つめた。紅葉が深くなるとか、落ち葉の色が濃くなるとか、秋のそういうの。
9月になっても40℃近いような異常気象ではあるんだけど、でも夜になると虫の声が聞こえたり、カレンダーの「9月」を眺めては「夏が終わった」としんみりしたり、確実に秋になっていると思う。異常に気温の高い秋。
カリカリになったベーコンとニンニクに水とマジックソルトのガーリックを入れて、パキンと2つに折ったパスタを入れて水分が飛ぶまで茹でる。気づけばいつも使っていたパスタキューブも切らしていたんだけど、いわゆるワンパンパスタが楽すぎてもう元には戻れない。休日のランチはいかに手を抜けるかが一つの勝負でもある(?)。
こうしてボーッと放置していた期限切れのパスタは、よく熱したニンニクとベーコンの旨味がパスタに染み込んで美味でした。ごちそうさまでした。
夕飯に久しぶりに具沢山の味噌汁を食べたくなって、これも8月には湧かなかった感情なので「秋だなぁ」とか思ったりする。具沢山どころか普通の味噌汁ですら暑くて億劫な夏だった。
イワシの味噌煮の缶詰に、長ねぎ玉ねぎゴボウに椎茸ニンジン舞茸をゴロゴロに切ったものをごま油でよーく炒めて煮込む。ごま油と椎茸舞茸のキノコの香りに「秋だなぁ」と思ったのは去年も同じだったかもしれない。
イワシの味噌煮をそのまま味噌汁に使うのは初めてだったんだけど、味見をしたらこれが美味しい。顆粒出汁に油揚げの出汁も相まって、ほっこりとした深い味。
こういう具沢山の味噌汁は味噌ごと煮込んでしまうのが好きなんだけど、ニンジンの深い色に味噌とキノコと根菜の茶色が合わさって、この色味もまた「秋だなぁ」と思った。もうこの日記で何回書いたかわからないくらい、でも9月というカレンダーが余計にそう思わせたのかもしれない。
白米が高いのでもち麦と玄米と混ぜて、もう一品くらいおかずを作って夕飯にする。そういえば卵の賞味期限も近いので、切らさないうちにおかずにしてしまおうかなと画策。ボーッと生きてるといつの間にかアレコレ期限を切らしていて、たまに切なくなったりする。
秋が進んでから冬にかけて繁忙期がやってくるので、夏の終わりのうっすらとしたブルーな気持ちはそういうのもあるかもしれない。と言いつつ季節の移りゆく切ない感情は嫌いではないので、このまま秋めいてほしい。
久しぶりにとりとめのない日記を書きながら、まずは気温から秋めいてほしいと切に思う。