「私がブログを書く理由ってなんだろう」と考えたら、「良い時間を過ごしてるからだな」と気づいた。
書いている時間はもちろん、書きたくなる瞬間、書くために内面と向き合う時間…思い返せばブログにまつわる時間は、どれも頭の中が日常から解放されている。
「言葉や感情に集中するひとときを過ごしたい」というのがブログを書く理由なんだと、振り返って改めて思った。
このブログともう１つブログを持っていて、両方とも日記や感想という"自分の内側"を言葉にしている。
日記は日々の思いを、感想は主に感情を言語化する訳だけど、"自分の内側"を言語化する時に「飾りすぎず、偽らず、でも整える」という薄化粧を施すのがとても難しくて、それでいて楽しい。
一切整えない自分の文章は、読み返すと見るに耐えない。かといって整えすぎると違和感が強くて楽しくない。なのでこの"薄"化粧が自分には大切なんだろうと思う。
でもこれが結構大変で、飾りすぎないと決めてもうっかり書いていると実際より高尚というか上品すぎてしまうことがあって、「いや違うそうじゃない」と厚化粧を落としながら"高く見られたい"という己の欲にちょっと笑うときがある。
「どう思ったか / なんでそう思ったか」と自分の感情に向き合い、「この単語って意味合ってたっけ」と知っているはずの言葉を調べる。言語化にはそれなりの集中が要るけど、その時の頭の中は猛烈に活性化されていてその瞬間がすごく好き。その代わりコーヒーがないと書けない。
ブログでなく日記帳にしたためても良いのでは？と考えたこともあるけど、「人様の目に触れる」というある種の緊張感が「本当にこれで良いのか？」と視点や言い回しひとつでも一歩深く考えさせてくれるので、ブログであることが自分には必要なんだと改めて思った。誰にも見えないローカルだと、ここまで頭を使わないな。と断言できる。
日記を書こうかな、と思ってPCを開いたりする一方で、予想外に美味しいものに出逢ったり作品が刺さった時に頭の中に言葉があふれて止まらないことがあって、その言葉が消えないように書き留めたくて衝動的にブログを書くときもある。
言葉が消えないようスマホにメモしたり、頭の中で言葉を反芻する時間も私にとってはすごく良い時間で、これはブログを始めなければ出会わなかった感覚だと思う。
無事に書き留めてctrl+Sを押した瞬間も好き。
作品の感想であれば、作品を見返し「好き！」という感情を掘り起こして、好きの感情を反芻しながら飾りすぎないように言語化する、この頭の中が好きなもので満たされるひとときは、言うまでもなく良い時間だと思っている。
このブログももう１つのブログもありがたいことに嬉しいメッセージを頂くことがあって、自分が「見られる」ことを意識して書いた文章が誰かに届いたという実感も日記帳では味わえない感覚だと思う。
誰に読まれなくても良い、自分が自分を満足する形で掬い上げるだけで良い、という自己満足で書いている一方で、こうして「見られる」ことを意識している矛盾は自分でも認めていて、それは立派な下心だと思っている。
書きたいという純粋な思いと承認欲求という下心が『公開する』のボタンを押させるんだと、こうして書いてみて思った。
己の欲に下心と、綺麗ではない自分を底に認めながら文に化粧を施している。
この諸々の思いは、特別お題「わたしがブログを書く理由」の記事を見なかったら気づかなかったかもしれない。
朝起きて「ブログを書こうかな」とコーヒーを飲んでPCに向き合う時間も好きだし、料理を済ませた達成感と共にカチャカチャとキーボードを鳴らすのも好き。
思いを反芻しながら書くのも、楽しい衝動に任せて書くのも好き。
「好き」「楽しい」で満ちた良い時間を過ごしたくて、今日も編集画面を開く。
