お正月も早々に「ずっと行きたかった美術展」に行けたので晴れやかな気持ちで日記を書く。あけましておめでとうございます。
なんとなく「お正月休みは美術館も開いてないんだろうなー」と思い込んでいたんだけど、よく調べると行きたかった美術展が1月2日より開いていることを知り「やったー!」と弾んで今年を迎えた。
行きたかったのはクロード・モネの展示『モネ 睡蓮のとき』
去年の10月から開催されていたこの展示、10月は体調不良だし他にやりたいこともあるしで乗り過ごし、11月からはゴリゴリ削られる繁忙期で気力も低下しているうちに月日が経ち、「1月も繁忙期なんだけど…行けるかこれ…?」とテレビで推される様子を眺めた時に、ふと調べてお正月休みの間に行けることを知った。三が日も開けていただいてありがとうございます、美術館の方々。
ピッカピカに晴れた1月2日、新年初のお出かけに向かう。
無知なもので、「初詣はともかく1月2日の美術館って意外と混んでないのでは?だとしたらラッキー!」なんて甘い考えで電車に揺られたんだけど、Xで『モネ展』と検索したら普通に「長蛇の列」なんてワードが出てきて「甘かった…!」と猛省した。時間帯によっては一時間以上の待ち時間もあったらしい。せめて家を出る前に調べておけば良かった。箱根駅伝に釘付けでした。
「ま、気長に待てばいいか」とそのまま向かったんだけど、私たちが着いた時には30分程度の待ち時間で「これなら余裕!」と安堵した。チケットを事前に買っておいたのも幸いだったかもしれない。
30分より体感では少し早く入れたモネ展、中もそれなりに人がいたものの、待ち時間や列で想像していたよりは余裕があってマジマジと間近で絵を鑑賞することもできた。
写真は入口の看板。

「モネ展を観たい!」と意気込んだ割に美術の知識には疎いので、クロード・モネに関しては『睡蓮』と一昨年に観に行ったブルターニュ展の絵が素敵だったという印象しかない。でも当時の日記にもちゃんとモネの絵に惹かれたことを書いていたのを読み返して思い出した。どうでもいいけどルーヴル美術館展には40分並んだらしい。
中は章立てで分かれていて、メインで推される『睡蓮』に関する作品は最初の第1章で鑑賞することができた。思ったより多くの睡蓮、睡蓮、睡蓮…と碧い絵が立ち並ぶ。
特に好きだと感じた《睡蓮、夕暮れの効果》は画の左上から左下にかかる水面が「余白」のように感じられて(実際は余白でもなんでもないんだけど)、「余白の美しさ」を勝手に感じて見入っていた。もちろん連なる睡蓮の白に露のように淡く光る蓮の葉も美しいんだけど、なんとなくこの余白のような静かな青に「語ってくるよなぁ」と思ってしまった。センスがないなりに一人で好き勝手に浸っていられるのが美術展の良いところである。
睡蓮も藤もアイリスも、決して写実的なリアルではないのに「この人にはこの花がこう映って、ここを本当に美しいと思って描いたんだな」というのが一目で伝わってくる。
「どう見えたか」と言うよりは「どう美しいと思ったか」をまっすぐに伝えてくる色と光と筆使い。いいよね、印象派。とわかったようなことを言ってみる。
後の章で、日本を好んだモネが『日本の橋』という題の絵を何作も描いていたことを知るんだけど、その中の一つに大きな違和感をもった。今までに観た作品の筆先を点描のように綿密に置くような繊細なタッチではなく、なんというかクレヨンを滑らせたような濁りのある赤と緑。よくよく解説を読むと、この頃のモネは白内障を患っていて、ちょうどこの絵に関する「キャンバスに荒く叩きつけるような筆の運び」のような解説を読んですごく静かに腑に落ちた。率直に「雑」だと感じた違和感は、視力を失いつつあった画家の感情が乗った筆の荒さだったのかもしれない。苛立ちとか、無力感とか、そういうの。
その後は手術によってある程度まで視力が回復したらしいものの、なんとも言えない気持ちではある。うまく言えないけど、解説を読むことで絵の印象がガラリと変わったことがなんだか不思議だった。なんというか「情報」によって絵の受け取り方が変わるのを味わったというか。
こうして「なんとなく好き」だったモネの理解を少しだけ深めたところで、最終章まで観て出口に向かった。きっと、もっと奥深い。また美術展で絵画に出会う度に、感じた思いと一緒に知識を深めていけたらいい。「来られてよかった」と満足の思いと共に、展示を後にした。
で、美術展の楽しみはもう一つある。美しい作品をモチーフにした、美しいグッズの数々。美術展クリアファイルコレクターなので「今日もクリアファイル買おー!」とウッキウキでグッズ売り場に向かって、長蛇の列に「!?」となった。
なんとグッズ売り場に入るまでに一度外に出て並ばないと行けないらしい。展示への入場列は今回も含めて経験があるけど、グッズ売り場に並ぶのは初めて。
昼下がりと夕方の間くらいの時間とは言え、外も割と暖かい日で良かった。「やっぱり敷地内も混んでるなぁ」なんて眺めながら、展示の入場と同じくらい並んだ気がする。
で、「せっかく並んだし!」と意気込んで買ったクリアファイルに図録に、ESTEBANとコラボしたハンドクリームに「ほしい!」と一目惚れしたのと、睡蓮をイメージした入浴剤セットがあったので迷わず購入。家でも浸るよ、睡蓮のとき。
そして浸った、睡蓮のとき。睡蓮の作品が描かれた入浴剤は綺麗なエメラルドにいい香りが新年の浴室を染める。『ウォーターリリーの香り』とここでも睡蓮にちなんだ香りのハンドクリームもすごーく好みだったので買ってよかった。並んだ甲斐があった!
こうして「クリスマスにミュシャ」に続き新年から美術展をエンジョイできたので、「最近お出かけしてない…」となりがちなインドア派としては幸先が良くて大満足。そういえば初詣に行っていないことに今更ながら気づいたけど、たまには美術展で始まるでもいいじゃない。と楽観している。
今年もきっと色々ある。けど、最初の日記をこうして楽しく書けて良かった。
2025年も良い年になりますように。





