散文録

つらつら書くのが楽しい。日記・作品の感想など

極上音響の意味を知る

去年、配信サイトで『AKIRA』を観て「これは映画館で観たいやつ!!」と思っていたら、なんと期間限定で上映される話をAKIRAファンの同僚が教えてくれた。
しかも『極上音響上映』という、なんだか圧のある文言がある。

極上音響上映とはなんぞや??と調べると、立川にあるシネマシティという映画館で行っている、文字通り極上音響の上映らしい。

www.sankei.com

残念ながら同僚は予定が合わず行けなかったのだが、どうしても観てみたかったので仕事終わりに行ってきた。
コロナ禍になってから映画館は行ってなかったので、仕事終わりに映画に行くのも、映画館に行くこと自体も何年ぶりだろう…って感じ。
旅行もそうだし、こうして徐々にコロナ前に戻っていくのね…というのを静かに実感している。

で、
上映時間は夜だったんだけど、仕事終わりに立川というのは意外と時間がなく、映画を観るためだけに新宿から立川まで特急あずさに乗るという暴挙に出た。いやー楽しかった!鉄道に乗るのが好きなので、こういうのもワクワクする。
(ちなみに立川で降りる人も意外といたのでそう珍しくもないのかもしれない)

発車と同時に車内に響く「カシュッ」「カシュカシュッ」とプルタブを開ける音が大好きで、通過する阿佐ヶ谷や吉祥寺の駅を見ながら久しぶりの特急列車を堪能した。

立川に降り立つのは10年以上ぶりかもしれない。
初めて行くシネマシティはムードある外観で、期待も高まる。

ポップコーンとシャンディガフを買い、予約していた真ん中の席に座る。
そういえば金曜の夜に映画館でビール飲むのが好きだった。
最終日だからか人気作だからか、席は満席だったように思う。

灯りが消えて、いよいよ始まる。
この暗くなる瞬間が好き。
久しぶりに見たNO MORE 映画泥棒は、なんだかアグレッシブになってた。

そして待ちに待った本編。
冒頭の太鼓が好きなんだけど、ここからすんんんごい良かった!
「ドーーン」じゃなくて
「ドウウウウウウンンンンンンンンンンンンンンンンン……………」
って感じで、もう心臓が揺れるほどに響く響く!
太鼓の音が私の心臓にドコドコ響いて心臓を打ってくるし、音圧がビリビリきて会場揺れてる?って感覚。

AKIRAサウンドはサントラ買うくらい好きだからそれはもう期待感マシマシだったんだけど、その期待を超えるくらいに良くて、なんていうか製作に関わる人すべての気合が心臓に流れ込んでくる感じ。
この数秒で「極上音響」の意味を知る。

そして春木屋の電灯がジジ…と鳴る音から鮮明で、大好きでたまらない冒頭のクラウンを追っかけるシーンが最高に良かった。
あのシーンが映画で一番好きで配信サイトの時もここだけ繰り返し見返してたんだけど、あれを高画質大映像そして極上音響で堪能するのは「あああああああああああああああ…ッッ」と脳が痺れるくらい良かった。シャンディガフでなく映画に酔いしれてた。

ぶっちゃけ内容に関しては初見の感想と同じくドハマリする感じではなく、まだよくわかってない部分もあるんだけど(原作未読だし)、映画の良さって内容の「納得感」だけでは決してないよね…というのがわかった。いや、わからされた。

暴力シーンで「ヒッ」となったり、ところどころ「グロいな…」と思いながらも、やっぱりきらびやかなネオンや生き物のように蠢く破壊シーンの美しい大画面や何度も言ってしまう極上音響に「来てよかったわ…」となりながらエンドロールを迎えた。

最後を締める太鼓の
「ドウウウウウウンンンンンンンンンンンンンンンンン……………」
に「最高だった…」と余韻に浸りながら、最後の最後の音が消えるまで息を潜めた。
冒頭シーンからラストの余韻まで、美味しくいただきました。
「観る」っていうより「浴びる」に近かったな。
ごちそうさまでした。

ちなみに今月末までお台場でこの映画のサウンド展をやっていて、既に2回行ってるんだけどもう1回行くか迷う。
迫力はどうしても映画に軍配が上がるけど、AKIRAサウンド好きな人なら絶対行く価値はある。

よく「映画体験」って言うけど、今回もまさに「体験」だったなって思う。
特急に乗った甲斐がありました。

 

初見の感想

ha49re.hatenablog.com

 

サウンド展 1回目

ha49re.hatenablog.com

同僚と行った2回目

ha49re.hatenablog.com