散文録

つらつら書くのが楽しい。日記・作品の感想など

ポケモンSV『藍の円盤』交換留学日誌

ポケモンSVの後編DLC『藍の円盤』をエンディングまで見納めたので、所感を交換留学の日誌として書き残す。
『藍の円盤』の内容を過去作BWやBW2に絡めてガッツリ語るので、ネタバレ注意

 

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一番の感想としては、「スグリ君のマイナスをゼロにする物語だったなぁ」という話。
"ゼロの秘宝"や"藍の円盤"の謎を解き明かすというよりは、彼を始めたとした思春期の人間模様がみっちり描かれていたように思う。

 

アップデートされたソフトを起動した直後、ロトロトロト…とスマホが鳴り物語が始まる。
さっそく現れたシアノ校長、ちょっとクセが強いな…とか思っていたらサクッとブルーベリー学園に到着した。
前編に引き続き、並走しているカイリューが可愛い。

校長に代わり案内してくれるタロちゃんと、後編で初の一戦目。
やっぱり初戦からダブルバトルだったけど、最初はパルデア御三家をお披露目したかったのでマスカーニャ&サポート型のハピナスで挑んだ。
ドキドキしていた初戦も危なげなく勝てたのでホッとしつつ、「お父上は イッシュの ジムリーダーだし」&「切り札がドリュウズ」に衝撃を受ける。
ヤーコンさん、こんなに可愛い娘さんいらっしゃったんですね…。

衝撃ついでに、後で登場するカキツバタ君もBW/2のジムリーダーシャガさんのお孫さんというのも知る。他にも過去作の血縁者がいるかもしれない。

あとサザレさんと後編で会えたら…なんて思ってたら、ドーム到着後にいきなり会えて嬉しかった。
しかも託されたヒスイガーディをウインディに育てたのをちゃんと気づいてくれたので喜びもマシマシ。ガーディくん、こんなに立派になりました。

個人的に好みだった要素としては、野生ポケモンとの遭遇が!トレーナーとのバトルが!!BWサウンドのアレンジだったので初っ端からテンションがグーーンと上がった。先週までDSのBW2をやっていたのとサントラも買ったので、記憶に新しいDSサウンドとの違いも楽しめる。
なんとなーく、フィールドのBGMに6番道路やホドモエシティのフレーズを感じなくもなくて、共通点を探すために今でもよーく聴いてしまう。

 

新しいポケモンの群れや新鮮なバトルに楽しいーと思いつつ進んでいたら、会いたかったゼイユおねーちゃんから連絡が来た!
うれしいーと思いつつ、待ち合わせに向かう前にテラリウムドームをじっくり一周してしまった。好奇心に勝てなくて…。

お待たせしまくる生意気な妹でごめんね、と思いつつ会いに行ったけど、おねーちゃんはおねーちゃんで相変わらず「土の味」とか言うから安心した。元気そうで何より。

で、再会を喜んだのも束の間。スグリ君の変わり様に衝撃を受ける
…部員を詰めるあの態度、正直に言うと言葉は良くないだろうけど"闇堕ち"と言うよりは"イキってる"みたいな印象を持ってしまった。バトルの強さに内面の強さが追いついていなくて強がっている故のイキリというか。退部届はパワハラにあたるのでダメですね…。

実はこのDLCはゆっくり進めようと思っていたんだけど、スグリ君の変わり様があまりにも衝撃で一刻も早く彼の改心した姿を見たくなってしまったので、そこからマッハでチャンピオン戦まで駆け抜けようと決めた。おねーちゃんも心配そうだし!

交換留学の準備でLv.100にして旅パも努力値を振り直し個体値/性格/特性も調整した甲斐があり、四天王も割と難なく制覇できた。ストーリーを見たくてバトルをサクッと終わらせるために調整したので、頑張った甲斐があって嬉しい。

四天王はタイプ相性のせいか、ネリネ>タロ>カキツバタアカマツの順で苦戦したけど、ネリネ氏のトリックルームメタグロスはLv.100でもワンパンされて焦った。トリル対策に赫月を忍ばせていたけどそれでも叶わず、半分近く瀕死になりながら勝ったので喜びもひとしお。ちなみに道具は使わない縛りでやっていた。

そうして対峙したスグリ君。初手カイリューニョロトノの雨降らしにビビりつつ、こちらのガブリアスの岩雪崩がいい感じに効いてくれて優勢を保つ。強さの感触としては、四天王の中間くらいかなというのが正直なところ。タイプ相性と運もあるんだろうけど。

で、相手が残り1〜2匹になったところで満を持して温めていた真打ちに出てきてもらう。オーガポン、出番だよ!
そしたらなんとスグリ君、想像以上にキレ散らかしたので結構ビックリした。
私がここでオーガポンを出したのは煽りでもなんでもなく「あの子を今でも大事にしているよ」というスグリ君への誠意を込めたメッセージだった訳だけど、彼に伝わってはくれなかった。

でも、ポケモンの本能的な戦闘意欲を満たしてあげるために「強く育てて戦闘に出す」という私なりのあの子への愛情を示して応えた方がいいかと思ったんだよ。
しこりの残るゲットだったけど、君だって鬼さまが即ボックス行きになるより大事にされて活躍してる姿を見た方がいいかと思ったんだよ!

…と反論しながら戦っていたけど、彼にとっての鬼さまは既に「大好きな存在」から「劣等感の象徴」になってしまったんだろうなと思うと、怒るのもそうだね。と思う。
どうでもいいけどキレ散らかしながらも「鬼"さま"」って敬意は忘れてなかったのでちょっと安心した。

そんなこんなで彼に勝利し、スグリ君がショックを引きずりながらも舞台はパルデアに移る。
エリアゼロの新しい奥地がキラキラして綺麗ーとか、あんまりグルグル回ると酔いそう…とか思いつつ、ついに石化したテラパゴスに出逢った。と同時に、スグリ君の想いも爆発する。

吐き出せ!ここで吐き出してスッキリしてくれ!と思いながら聞きつつ、ここで吐露される劣等感は「主人公に勝てない実力」と「人とうまく関われない気質」という2つの要素がごちゃ混ぜになっていたのがリアルだった。本来は分けて考えるべきだけど、私が10代でもそれはできなかったと思う。

「姉ちゃんだって最初はイジワルしてたくせにすぐに好きになるし!」みたいなセリフが印象的で、ウザい姉ちゃんでもやっぱり"取られた"気がするのかなとか、イジワルされてたのに仲良くなっちゃう主人公のコミュ力とか「自分にはない」感じって苦しいよね。とかちょっと共感してしまった。

そこから「伝説のポケモンさえ手に入れれば…」に行ってしまう視野の狭さも、そこまで視野が狭くなるほど追い込まれていたんだね、と考えると彼に必要なのは伝説のポケモンではなく適切な指導者だよ!と思う。ブライア先生興奮してる場合じゃないですよ。

ここで強さに固執した過去のあるチェレン先生に来てほしかったんだけど、なんだかんだBW時代のチェレンには主人公やベルという"親友"がいたわけで…とスグリ君との境界線にちょっとチクっとする。

本当に個人的な意見だけど、こういう思春期に自意識を拗らせて苦しんだ子こそが教職なり指導者に向いているのではと思っているので、成長したスグリ君が指導側に就いたら同じような悩める子に寄り添えるんじゃないかと勝手ながら思っている。

…とか色々な事を考えていたらテラパゴスが目覚め、目の前の主人公に向かいそうになり慌ててマスターボールを投げるスグリ君、この行動力が好きだし「もう、君が手に入れてくれ」とすら思った。
そうして一旦手に入れたテラパゴスが暴走しマスターボールが破壊されるという展開に意外で面白いと思いつつ、オーガポン vs テラパゴスの一騎打ちが始まる。

何度も攻撃されても倒れずウッドホーンをガンガン打って回復する鬼さまの姿に、そうか!鬼さまがここまで強くなったのはこのためでもあったんだね!と胸が熱くなった。

「大事にするね!」というスグリ君への誠意として、鬼さまには白いお餅からのAS極振り5V陽気Lv.100までお強くなってもらったんだけど、成果としては彼との闘いよりもこっちの方に活きていた気がする。

ここからスグリ君と共闘からの「…けっぱれ!」と共にテラパゴスを手に入れて、彼の穏やかに戻った顔と綺麗な空で物語は締めくくられた。
姉弟そろってワンワン泣いたところ、好きだったな。
「諦め」っていうと言葉はマイナスだけど、吐き出して泣いてスッキリと自己の執着から解放されるって、そう悪い経験ではないと思うんだ。
マイナスのスグリ君がゼロになり、これからプラスに伸びるところを見られたらいい。

 

…とか思ってたらなんと、スグリ君が休学してしまったのでビックリした。
確かに心身共に追い込まれていたので休学もわかるんだけど、「サヨナラ」もなく先生からの伝言でもなくその辺の生徒から聞いたっていうのが、ストーリーの消化不良感が強い。
エンディング前のラストは綺麗だったけどさ、私はもう少しゼロに戻った彼の「その後」を見たかったよ。というか単純に彼と話したかったよ。おねーちゃんもいないしさ。

「結局テラパゴスって何?」「ゼロの秘宝って?」という謎が明かされない事よりも、こっちに意識が持っていかれてしまった。
そのうちに追加シナリオとかが用意されるのを期待してもいいかな?

 

という訳であっという間に見納めたDLC後編、謎は残りつつもストーリーはだいぶ楽しんでたと思う。
前編は先にネタバレを見たけど、後編は一切ネタバレに触れないで始めたのも大きい。
ちょっと思うところはありつつも、一旦は綺麗に終わって良かった。

バトルに関しては、事前情報から対策しておいて良かったなーというのが大きい。
基本的にテレパシーサーナイトガブリアスを先頭にしていたんだけど、なんとなくガブは地震より岩雪崩が刺さる場面が多かった気がする。

あとサーナイトは意外にもマジカルシャインよりも電磁波が効いて有利になる場面が多くて、ワンパン狙いでガツンと攻めるより搦め手でネチネチ攻めた方が効率が良かった。
あと一番お世話になった技が「はたき落とす」で、とにかく初手ではたき落としまくるのがサクッと進められた秘訣かもしれない。気合のタスキに命の珠に突撃チョッキとボロボロ落とされたものを見て、まぁいいアイテム持たせてますね…というのも面白かった。

 

あと、なんだか珍しい方法でメロエッタを捕獲できたのが面白くて嬉しい。
まだ公式情報としては確立されていないのかネットやSNSでもザワザワしていて、ちょうど「このやり方でメロエッタ出ました!」みたいな情報を半信半疑で試してみたら本当に「いにしえのうた」が流れて、思わず声が出た。楽しかったー。

こういう裏技というか嘘みたいなやり方をワクワクしながら試すって大人になってから全然ないから、童心に帰って子供みたいにドキドキする新鮮な面白さがあった。公式に発信されていない今のタイミングだから余計に楽しめたっていうのもあると思う。

クリア後の要素はまだまだやれていないものも多いので手を付けつつ、てらす池でフトゥー博士に逢った話とかおやつおやじの話は、また機会があったら日誌に書けたらいい。リーグ部の部員の話とかも書きたいし。

という事で、思い出の濃かった交換留学の日誌を終える。
留学の準備、頑張った甲斐がありました。