散文録

つらつら書くのが楽しい。日記・作品の感想など

旅行記⑤:出雲行の夜行列車おりた時から

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島根の幸を存分にいただき、大満足で松江城まで歩く。
日の入りの時刻には、この近辺で宍道湖の夕景色を見たい。
が、この日の天気は予報通りの曇天。

どんな天気で日の入りを迎えても、その時しか感じられない旅情を楽しめる自信はあった。たとえ雨だとしても。
とはいえ傘をさすのも面倒だし、雨は降らないといいなぁ…とか静かに願ったりする。

近くに神社があったのでお参りした。名は「須衛都久(すえつぐ)神社」

おみくじ大好き人間なのでここでもおみくじを引いたら「小吉」で運気はあまり良くないようなことが書いてあったんだけど、昨日の出雲大社も含めて全部同じような内容で、やっぱり神様ってすごい!一貫性がある!(??)とテンションが上がった。

松江城に着く前に、「まつえレディースハーフマラソン」の準備が大々的に行われているのを見る。

この日は開催の前日だったようでマスコミ風なワゴン車が何台も停まっていたり、ジャージを着た関係者みたいな人が何人もいたり、翌日は交通規制がありますみたいな案内板も見た。
次の日は別の地へ移動してしまうので見られないのは残念だが、こういう地元の大会の準備の空気に間近で立ち会えたのは珍しくて嬉しい。

そして到着、国宝松江城

この木は桜だと思うんだけどこの時はまだ開花の直前みたいだったのが惜しかった。
満開時にこの角度で撮ったらパンフレットのように完璧な写真だっただろうな。
が、先端がほのかに紅掛かった蕾の木もそれはそれで美しい。

春の到来がすぐそこまで迫っている蕾に、すごく惹かれた。

そして松江城の中へ。
薄暗いながらも綺麗に整えられているな…という印象で、「鉄砲狭間」「石落とし」などの敵を撃つための仕掛けが案内されている。
この松江城、階でいうと5階建て(地下1階付き)の構造で「天守の総床面積は姫路城に次いで2番目の大きさ」らしく、広い床を歩き回りながら階段を登るのはなかなかに体力を使った。個人的なお城の階段あるあるだけど、階段の一段が高いので楽には登れないやつ。
一階を登る度に階段を見て「まだ上があるの…?」とか思ってしまったりした。
ちなみにこの松江城に関しては島根県の観光サイトが詳しくて楽しい。

www.kankou-shimane.com

で、やっとたどり着いた天守最上階からの景色はやっぱり格別。

宍道湖も見える!
ちょこちょこお城は登ったことはあるけど、やっぱりこの景色を観るのが一番の楽しみな気がする。視界の下の屋根がいい。
雲はあるものの晴れ間が見えて、これは日の入りも見えるかも?と期待も生まれる。

「国宝指定書」も拝み、景色も楽しんだところで降りる。中は土足禁止で靴下なんだけど大きな階段を降りる時に滑りやすくて、全然関係ないんだけど「行きはよいよい帰りは怖い」というフレーズが浮かんだりした。

無事に城を降りたところで、日の入りまで時間もあるし何しようねと話していたら、どうやら城下のお堀を小舟で巡る「堀川遊覧船」なるものがあると夫が見つけてくれた。

www.matsue-horikawameguri.jp

少々寒いが、乗るしかない!と予約。
が!なんとこの「少々寒い」にはとてもありがたいことに、期間限定の「こたつ船」というこたつの載った小舟に乗せていただいた。
小舟に乗るのも多分初めてだが、こたつ船はもっと初めて。

こたつの雰囲気に和む

ラッキーな事に端っこに座れたので写真が撮りやすい。
というわけで『ぐるっと松江 堀川めぐり』出発

途中途中にある橋をくぐりながら文字通りぐるっと堀川を巡る。
草木に満ちた自然の空気を感じたり、珍しい鳥を見たり景色を楽しむ。膝にはこたつ。

遠くに鳥が見えると船頭さんが鳥の解説をしてくれる。

木が生い茂っている箇所もあって、ジャングルクルーズを思い出した。

そしてこの舟の面白いところが、低い橋の下を通る時に舟の屋根がぶつかってしまうため、屋根を下げる必要がある。
これが思ったより低く下げなくてはいけなくて、頭をこたつにペタっとくっつけなければならない。

↑頭をペタっとくっつけながら撮影した写真。屋根がかなり下まで下がっている。
十数名いる乗客が全員ペタッと頭をくっつけている様はさぞシュールだと思う。

豊かな自然と同様に、建造物も楽しめる。この辺りは作家小泉八雲氏ゆかりの地という事で記念館や旧居の案内もしてもらった。

そしてまた橋をくぐる。レアな景色が楽しい。

途中でこの辺りでは珍しい「ヌートリア」がいたり、船頭さんが唄ってくれたりしながら楽しい時間が終わった。

↑左下の小舟にこたつが見える。

ちなみに降りる前に船内の写真撮影という事で皆で撮り合ってたんだけど、私達に「撮りましょうか?」と声を掛けてくれた女性二人組、なんと先ほど看板を見た「まつえレディースハーフマラソン」に次の日出場するらしく、「明日、頑張ってください!」と声を掛けて終わった。いい記録を残せているといいなと振り返る。

大満足で松江城の散策を終えたところで、そろそろ宿のチェックインをしようと朝に荷物を預けた『松平閣』へ向かう。
夕飯はこちらの部屋食になるので、チェックインと共に時間を伝え待望の部屋へ行く。
素敵!!

部屋から直接宿の庭園に行くことができる。

この美しい庭園には色とりどりの鯉も泳いでいる。目の楽園。

庭園からはすぐ目の前に宍道湖を望める。最高ですな。
ドーミーインは確定として、他の宿はどこにしよう…と迷っていたがここにして大正解だわ…と気分がアガる。
部屋に戻り、洗面台に流しが2つもある!とかお茶菓子が可愛いとか色々感動してるうちに、日の入りの時刻も近づいてきた。

これからもう少し歩いて、綺麗に見られるところまで行こう。
雲はそれなりにあるが幸い雨は降らなそうだ。
松江宍道湖・夕景色の時間が、まもなく始まる。

 

つづき

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